続き
セレス :ポジティブなふりしてるだけかもよ。
ガープ :フリでも立派なもんだ。
セレス :ネガティブなものを忘れようとしてるだけ・・・。
ガープ :誰だって忘れたいことはある。
セレス :そうね・・・。
ガープ :ああ。
セレス :大人ね、意外と。
ガープ :あのホルスよりか?
セレス :あの子・・・なぜ悲しまないのかしら?人が死んでも・・・。
ガープ :そう育てられたんだ・・・。周りの都合のいいように・・・。
マルス :そう、神の子の名のもとにな。
・現れるマルス。政府軍との戦いで負った傷を包帯で覆っている。
マルス :怒りや悲しみ、人間の持つ負の感情をすべて排除するように育てられている。
セレス :何故?何のためよ・・・
マルス :ホルスは、長く後継者に恵まれなかった法王ユピテルにようやく授かった子供
でな・・・。
・男の絶叫!そして赤子の鳴き声。【回想】
男を剣で殺し返り血を浴びたユピテルと赤子のホルスを抱いた母セメレー。
召使 :お許しください・・・お許しください・・・(息も絶え絶えに)
ユピテル :貴様!召使の分際でよくもこの私を謀ったな!
召使 :申し訳ございません・・・すべての咎はこの私にございます・・・どうかセメレ
ーは・・・(セメレーを庇う)
ユピテル :セメレーだと・・・貴様ごときが頭に乗るな!(突き刺す)
召使 :ユピテル猊下・・・お怒りは、私めの死でお納めください・・・(祈るように手を組み絶命)
ユピテル :セメレー貴様・・・この私を欺くとは・・・!
セメレー :申し訳ありません・・・!(ひたすらに泣き怯えている)どうか・・・この
子だけは・・・
ユピテル :本来女人禁制の法王の間にそなたを住まわせたのも、没落した田舎貴族の出身で、身の回りのことすら出来ないそなたを、私の従妹として預かったのも・・・
セメレー :お赦しください・・・
ユピテル :ましてやこの法王庁において妊娠だなどという不祥事を許したのも。すべては私とそなたとの間に芽生えた愛の結晶が川に流されることを不憫と考えての慈悲!それをそなたは!!
セメレー :ユピテル様・・・どうかお赦しください・・・
ユピテル :皆に祝福させたはずの愛しいわが子が・・・私の子でなかったとはな・・・。
続く